タンはご存じのとおり牛の舌です。
しかし、ひとことでタンと言ってもタンの部位ごとに特徴や合う料理はまったく異なり、部位ごとに合わせて料理を選ぶことで、よりおいしく食べることができます。また、タンには白タン・黒タンの2種類があり、美味しいタンを食べたいならこの違いを知っておくことが大切です。
そこで今回は、タンの部位と特徴、おすすめの食べ方について解説していきます。
この記事は、和牛×ギフトの専門店「肉贈」の店長松本が監修しています。 肉検定1級・2級、家畜商の免許も取得済。和牛の肥育もしています。 「和牛×ギフト」を通して、贈り主&贈り先の双方を幸せにすることを目標に日々活動中。
【タン】部位ってどこ?
タンはどこにあるのか、タンの部位や種類の違いについて説明していきます。
部位の場所
焼肉を食べる際に、毎回タンから食べるという人は多いでしょう。これは、すし屋で淡白な味のものから注文し、濃い味のものへと変えていくのと同様で、まずはレモンでさっぱり食べられるタンから!という人が多いのでしょう。
タンはその名のとおり、牛の舌です。長さは50cmもあるため、どの位置を食べるかによって硬さや歯ごたえ、臭みがまったく異なります。先端から見てみると、タン先・タン中・タン元・タン下と分けることができ、先端側ほど硬く舌の付け根側はやわらかいのが特徴です。
タンは焼肉で食べる他の部位に比べればカロリーは低い方で、たんぱく質やビタミンが豊富なためダイエットや美容のためにもおすすめの食材と言えます。また、タウリンも含んでいるため、疲労回復効果も期待できます。
タンは4部位に分けられる
タンは前述したとおり、以下のように4つに分けることができます。
- タン先
- タン中
- タン元
- タン下
ではこれらの違いについて見ていきましょう。
タン先
餌を食べるときによく動かすタン先は、運動量が多いため硬く臭みも強めです。そのため、焼肉として食べることはほとんどなく、煮込むことでにおいを抑えつつやわらかくして食べるのが一般的。
タン中
タン中と呼ばれる舌の中央部分は舌の付け根側と先端側では歯ごたえも脂ののり方も異なります。付け根側は上タン、先端側は普通のタンと言えばわかりやすいのではないでしょうか。
タン中は焼肉でおいしく食べることができます。
タン元
タンの付け根部分をタン元と言います。根本ほどあまり動かさないため、タン元はやわらかく脂がのりやすい部位です。特に根元から3~4cmほどの付け根部分は焼肉店で特上タンとして提供されるような肉質の良さです。
タン元も、タン中と同様に焼肉でおいしく食べることができます。
タン下
タン下は筋がある部位で、焼肉など焼いて食べる料理には適していません。しっかりと煮込むことでほろほろになるほどやわらかくなるため、煮込み料理に向いています。
黒タンと白タンの違い
タンには黒いものがあるのを見たことはありますか?皮を剥いた状態は普通のタンに見えるため、黒い状態のタンを目にしたことがある人は多くないのではないでしょうか。
白タンはホルスタインなどの乳用牛のタンで、皮が白いのが特徴です。対して黒タンは皮が黒く、黒毛和牛や交雑種のほとんどは黒タンになります。輸入牛の場合は、牛種や個体によって異なるため、明確に分けることができません。
では、これらのタンの中でどれが一番美味しいのかというと、やはり脂ののりがよく、やわらかさやうまみがある黒毛和牛の黒タンがダントツと言えます。
黒毛和牛のタンは希少で品薄部位
焼肉店に行ったらまずタンから!という人が多いように、タンはカルビなどと同様に焼肉店にあってあたり前な部位ですよね。しかし、いくら牛自体が大きくて他の部位がたくさん取れてもタンは1本しかありません。
黒毛和牛や交雑牛が1ヶ月にと畜される数は、黒毛和牛が3万頭ほどで交雑種は2万頭ほどです。この牛のタンがすべて流通した場合は合計5万本になります。タン1本で焼肉なら10人前取れるかどうかという程度ですが、焼肉店は全国に2万店近くあるため、圧倒的に数が足りていないことがわかります。
そのため、黒毛和牛のタンは常に品薄で、扱うお店は限られるのです。
【タン】味の特徴を徹底解説!
タンは部位によって味も食感もかなり異なりますが、タン元で言えば脂がしっかりとのっており、やわらかくジューシーです。上質なタンであれば、とろけるような食感を味わうこともできます。
タン中の場合は程よい歯ごたえを楽しむことができ、この歯ごたえが好きという人もいるでしょう。噛みしめると、口の中にうまみやほんのりとした甘みを感じられます。
【タン】おすすめの食べ方
タンのおすすめの食べ方をご紹介します。部位ごとに調理方法を変えましょう。
焼肉
タンといえばタン塩ですよね。好みの厚さにスライスして焼き肉プレートやフライパンでサッと焼きましょう。焼いてから塩を付けてもOKです。
レモンにつけたり、好みでねぎをプラスするとより美味しく食べることができますよ。
タンステーキ
牛タンのうまみをしっかりと味わいたいなら、厚切りにしたタンのステーキがおすすめです。強火で表面をしっかりと焼き、裏返して中火で3分ほど焼きましょう。
味付けは塩だけでシンプルに食べるのがおすすめですよ。
タンシチュー
タン下やタン先は一口大に切ってタンシチューにしてみましょう。煮ることで硬いタンもとろけるような味わいになり、シチューの濃い味付けで臭みもまったく気にならなくなります。
タンシチューは贅沢感もあるので、とてもおすすめです。
【タン】美味しい調理方法を覚えよう
実際に調理する時のために、よりおいしくなる調理方法を覚えておきましょう。
タンの焼き方
薄切りのタンの場合は、肉が少し反りだしたらすぐに裏返し、ほどよく焼き色が付けばOK。サッと焼いてレアの状態で食べましょう。
厚切りの場合は、両面にカリっとした焼き色を付けましょう。そうすることで香ばしさがでます。焼き加減はミディアムレア程度が美味しく食べられるでしょう。
低温調理もおすすめ
タンをステーキで食べる場合などにおすすめなのが、タンの「低温調理」です。低温調理をしてから表面を焼くことで、中が生の状態になるのを防ぐだけではなく、表面はカリっと香ばしく中身はしっとりジューシーな仕上がりになります。
低温調理器を持っていないという人は、「【ステーキ】低温調理と普通に焼いたステーキを調理から味まで比較」を参考にしてみてください。低温調理器を使わない低温調理方法を解説しています。
【タン】肉贈のおすすめ商品を紹介!
肉贈では黒毛和牛の黒タンをご用意しています。前述したとおり非常に希少でなかなか食べる機会のない黒タンをご自宅で味わってみてはいかがでしょうか。
黒毛和牛 タン
黒毛和牛の黒タンで、焼肉にもステーキにもおすすめです。噛みしめたときの味わいは普通の焼肉店で食べるものとは違い、思わずおどろいてしまうほど。やわらかな噛みごたえと濃厚なうまみを堪能してください。
黒毛和牛 タン 1本(数量限定品)
希少な黒毛和牛のタンを丸ごと1本ご用意しました。高級焼肉店でもなかなかお目にかかれない非常に希少な黒タンの部位ごとの違いを楽しむことができます。焼肉・ステーキ・タンシチューと、さまざまな料理にチャレンジしてみましょう。
まとめ
今回は、タンの部位と特徴、おすすめの食べ方について解説しました。
タンは、
- タン先
- タン中
- タン元
- タン下
の4部位に分けることができ、舌の付け根側ほどやわらかく脂がのっています。一般的に焼肉店で提供されるタンはタン中・タン元です。
タンには黒タンと白タンがあり、特にやわらかく脂がのっていて美味しいのが黒毛和牛の黒タンですが、希少であるため高級焼肉店でもなかなか目にすることがありません。肉贈ではそんな黒毛和牛の黒タンをご用意していますので、ぜひ一度お試しください。