牛肉は生鮮食品であるため、消費期限は2〜3日と短い食品です。もしも傷んでいる牛肉を食べてしまうと食中毒を引き起こしてしまう可能性もあるため注意が必要です。
ただし、保存方法に問題がなければ1日消費期限が過ぎたからといってすぐに痛むわけではないので、肉の状態から確認しましょう。
そこで今回は、消費期限が切れた牛肉が食べられるか見分ける方法や、消費期限内に食べ切れない場合の保存方法について説明していきます。
この記事は、和牛×ギフトの専門店「肉贈」の店長松本が監修しています。
肉検定1級・2級、家畜商の免許も取得済。和牛の肥育もしています。
「和牛×ギフト」を通して、贈り主&贈り先の双方を幸せにすることを目標に日々活動中。
牛肉のパックに書かれている消費期限とは?賞味期限との違いは?
消費期限と賞味期限は混同されがちですが、明確に違いがあります。
消費期限は、その食品に適した方法で保存した場合に「安全に食べることができる」期限のことです。痛みやすい肉や魚などの生鮮食品やお惣菜やお弁当などに表示されています。消費期限が切れると、腐敗や劣化が進み食べることができなくなります。
賞味期限は、未開封でその食品に適した方法で保存した場合に「美味しく食べることができる」期限のことです。主にインスタントラーメンや缶詰やレトルト食品など痛みにくい食品に表示されています。消費期限との大きな違いは、この期限を過ぎたら味は落ちていくがすぐに痛むわけではないという点です。
牛肉の場合は「消費期限」が表示されているため、期限が切れたら「安全が保証されていない状態」となっていることは覚えておきましょう。
ただし、消費期限は本来安全とされている日数よりもさらに早めに期限が設定されています。そのため、1日程度過ぎても問題なく食べられることがほとんどです。消費期限が切れてしまった場合は牛肉の状態を確かめて、自己責任で食べるようにしましょう。
消費期限が切れた牛肉はいつまで食べられる?
冷蔵保存で消費期限が切れてしまった牛肉はいつまで食べられるのでしょうか。日数別で目安をご紹介します。
しかし、季節や冷蔵庫の開閉頻度などによっては早く傷む可能性がありますので、鵜呑みにせず必ず肉の状態確認は行ってください。
消費期限から1日経過した牛肉
前述した通り、消費期限は少し早めに設定されています。保存方法に問題がなければ1日程度であれば食べられる可能性が高いでしょう。
消費期限から2日経過した牛肉
2日経っても食べられる可能性は高いですが、空気に触れやすい挽肉やこま切れ肉などは痛みやすいので、肉の状態はしっかりとチェックしてください。
また、夏場だったり頻繁に冷蔵庫を開けていた場合などは2日でも傷んでしまっている可能性があるので気をつけましょう。
消費期限から3日経過した牛肉
消費期限から3日までは食べるという人は多いようですが、3日あたりがギリギリのラインと言えます。もしも食べる場合は状態を確認して、しっかりと火を通してから自己責任で食べましょう。
消費期限を過ぎた牛肉の見分け方
消費期限を過ぎた牛肉を食べるのであれば、傷んでいないか状態を確認してから料理してください。
チェックするポイントは以下の2つです。
- 変色
- 異臭
では傷んでいる場合にでる特徴について説明していきます。
変色している
新鮮な状態の牛肉は赤色をしていますが、消費期限が過ぎた辺りから徐々に変色していきます。注意が必要な色は、灰褐色や緑、黄色っぽい色味になってきた場合です。酸化が進んでしまった場合や、カビ・細菌の繁殖によってこのように変色します。
多少の変色であっても粘りがあったり糸を引いている場合や、食べた時に酸っぱさを感じられる場合は傷んでいますので食べるのをやめましょう。
異臭がある
牛肉は傷み方によって感じる異臭に違いがありますが、
- 腐敗臭
- 酸っぱさを感じる臭い
- アンモニア臭
このような臭いを少しでも感じたら、食べるのをやめた方がいいでしょう。傷んでいる時に感じる臭いは強く、パックを開ければわかるはずです。
牛肉を消費期限内に食べきれない場合はどのように保存すべき?
牛肉をたくさん買ってしまったけれど、消費期限内に食べ切ることが難しい場合は冷凍保存をしましょう。
冷凍保存は正しい保存方法を知らないければ牛肉の美味しさが損なわれたり、変色や酸化の原因となります。適当に包んで冷凍するのではなく、正しい方法を身につけましょう。
冷凍保存する正しい方法
冷凍保存の場合は、正しく保存することで鮮度をキープしながら半月〜1ヶ月程度牛肉を保たせることができます。
以下の方法で冷凍保存をしていましょう。
- 牛肉を一回で使い切る量に小分けするか切り分ける
- 牛肉から出ているドリップや水分をキッチンペーパーで拭き取る
- 小分けしたものを1つずつラップで包む
- フリーザーバッグに入れて平らにし、空気を抜いて密閉する
- 冷凍庫に入れる
保存期間はひき肉やこま切れ肉は2〜3週間、厚切り肉などは3週間、ブロック肉は1ヶ月を目安に使い切りましょう。
下味をつけたり、調理をしてから冷凍することで料理の時間短縮にも繋がります。
牛肉の正しい解凍方法
正しく冷凍しても、解凍方法を間違えてしまうと牛肉の美味しさが損なわれてしまったり、せっかく冷凍保存しておいた牛肉に菌が繁殖してしまう可能性もあります。
特に冷蔵庫から出して自然解凍するのは、衛生的にやめた方がいいでしょう。
では、自然解凍以外の解凍方法をご紹介します。
〈冷蔵庫で解凍〉
牛肉を使用する6時間ほど前に冷凍庫から冷蔵庫に移しておきましょう。そうすることでゆっくりと解凍され、牛肉のうまみが流れ出てしまうことを防ぐことができます。
〈氷水で解凍〉
ボウルに氷水を用意し、フリーザーバッグに入った状態の牛肉を入れて解凍します。大体30〜1時間程度で解凍でき、解凍ムラもなくうまみが流れ出ることもありません。
〈電子レンジで解凍〉
電子レンジは解凍ムラが出るため急いでいる場合に使いましょう。もし使う場合は途中でひっくり返したり様子を見ながら解凍を行ってください。
まとめ
今回は、消費期限が切れた牛肉が食べられるか見分ける方法や、消費期限内に食べ切れない場合の保存方法について説明しました。
消費期限は「安全に食べることができる」期限であるため、消費期限切れ=安全が保障されていないということになります。しかし、消費期限は少し短めに設定されているため、1日程度であれば問題なく食べられることがほとんどでしょう。ただし、保存方法や季節などによっては確実とは言えないため、肉の状態確認はしっかりと行ってください。
消費期限内に食べることができない場合は、早めに冷凍保存をしましょう。正しく冷凍・解凍することで、時間が経っても牛肉を美味しく食べることができますよ。