牛肉といえばワインを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、最近では日本酒が充実した焼肉店がオープンするなど、牛肉と日本酒の組み合わせが注目されつつあります。
食べ物と飲み物の組み合わせは、それぞれの味が喧嘩しないことが大切です。味の濃い食べ物なら口当たりがさっぱりとした飲み物を合わせたり、より料理を美味しく感じられる飲み物を合わせたり、ペアリングによって相乗効果が生まれます。
日本酒はさまざまな種類があり、さらに牛肉とも相性がいいお酒です。
そこで今回は、
- 牛肉と日本酒がなぜ合うのか
- 【牛肉料理別】おすすめの日本酒の種類
を紹介します。
この記事は、和牛×ギフトの専門店「肉贈」の店長松本が監修しています。
肉検定1級・2級、家畜商の免許も取得済。和牛の肥育もしています。
「和牛×ギフト」を通して、贈り主&贈り先の双方を幸せにすることを目標に日々活動中。
牛肉と日本酒が合うヒミツは「旨味成分」
日本酒は米から作られるため、旨味成分を含んでいます。
日本酒に含まれる旨味成分の中でも、アミノ酸は日本酒にコクや旨味を与えている成分ですが、日本酒は約20種類のアミノ酸含んでおり、その中の1つに「グルタミン酸」があります。
牛肉に含まれる旨味成分には「イノシン酸」があり、
- グルタミン酸
- イノシン酸
- グアニル酸(干し椎茸などに含まれる旨味成分)
この3つは三大旨味成分とされています。
旨味成分は「うまみの相乗効果」があるとされており、組み合わせることでよりうまみを感じられるようになります。
例えば、出汁をとる時に昆布と鰹を使いますが、昆布にはグルタミン酸、鰹にはイノシン酸が含まれているため、2つを使うことでうまみの相乗効果により美味しい出汁が取れるということです。
そして、日本酒にはグルタミン酸、牛肉にはイノシン酸が含まれているということは、昆布と鰹の組み合わせと同様にうまみの相乗効果が起こるということ。そのため、牛肉を食べる際に飲むお酒は、日本酒が非常におすすめなのです。これらの旨味成分は、それぞれを別に味わうよりも組み合わせることで最大7〜8倍のうまみを感じられると言われています。
また、グルタミン酸とイノシン酸は出汁に使われていることからもわかるように、日本人が小さな頃から慣れ親しんでいる組み合わせであるため、日本人が牛肉と日本酒を組み合わせることでよりうまみを感じやすいのも特徴です。
日本酒の特徴を種類別で知ろう
日本酒には種類があり、種類ごとに味わいが違います。そのため、食べる料理ごとに選ぶ日本酒を変えた方が料理も日本酒も美味しくなるのです。
ここでは、日本酒を4つに分類して特徴を紹介します。
吟醸酒
華やかな香りと繊細な味わいが特徴的な日本酒。喉越しが滑らかで、すっきりとした淡麗な味わいのものが多いのが特徴です。
精米歩合60%以下に削った白米を低温で長時間発酵させて造られます。精米歩合50%以下のものが「大吟醸酒」です。
香りがあるため、さっぱりとした料理に合わせるのがおすすめです。
純米酒
米・米麹・水を原料にして造られる日本酒です。醸造アルコールを使用しないので、旨味・コク・ふくよかな味わいを強く感じられる濃醇なものが多く揃っています。
2004年以降精米歩合に規定がなくなり、米と米麹のみを原料とした清酒であれば、「純米酒」と表示できるようになったため、精米歩合の違いでさまざまな純米酒が商品化されています。醸造アルコールを原料に含まない吟醸酒も「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」とされ、純米酒にカテゴライズされます。
さまざまな味付けの料理に合わせやすい日本酒ですが、味付けが濃いめの料理に合わせやすいでしょう。
本醸造酒
純米酒のような香りと風味がありますが、純米酒よりも淡麗でまろやかさのある日本酒です。精米歩合70%以下の白米を使用して造られ、精米歩合60%以下のものは「特別本醸造酒」とされます。醸造アルコールの添加量が普通酒に比べて少ないのも特徴です。
程よい香りとすっきりとした飲みごたえは日本酒に慣れていない人でも飲みやすいでしょう。素材の味をそのまま味わうような料理によく合います。
普通酒
ここまでお伝えしたものは精米歩合や醸造アルコールに関して決まりがあり、「特定名称酒」と言います。普通種はこの特定名称酒以外の日本酒のことをいい、原料や製造方法に規定がなく、酒蔵によって全く味や香りが異なります。
さまざまな普通酒を試しながら、合う料理を探すのも楽しいでしょう。
【牛肉料理別】おすすめの日本酒の種類
日本酒と牛肉料理を合わせる基本は、味が薄いものにはすっきりとした味わいの日本酒を、味の濃いものにはコクがありまろやかな日本酒を選ぶと相乗効果が増します。
では、牛肉料理の中でも代表的な
- しゃぶしゃぶ
- 焼肉
- すき焼き
- ステーキ
この4つの料理に合う日本酒を紹介します。
しゃぶしゃぶにおすすめなのは「吟醸酒」
出汁にくぐらせ適度に脂が落ちるしゃぶしゃぶは味もあっさりとしているため、すっきりとした味わいの吟醸酒を合わせてみましょう。
あっさり系・薄味系の料理には吟醸酒がよく合います。
【近江牛 食べ比べ 霜降り&赤身 300g(A5・A4等級)】
【特選 米沢牛肩ロースしゃぶしゃぶ400g(A5・A4等級)】
焼肉・すき焼きにおすすめなのは「純米酒」「本醸造酒」
焼肉はタレの味付けが濃く、脂の乗った肉も多いため、うまみやコクを強く感じられる純米酒がよく合います。また、口の中をさっぱりとさせたい場合には本醸造酒を合わせてもいいでしょう。
最初は純米酒と合わせて、途中から本醸造酒に移行してもいいですね。
【特選 米沢牛カルビ焼肉400g(A5・A4等級)】
【最高級 極上 松阪牛 ギフト 焼肉 特上カルビ(三角バラ)400g】
ステーキにおすすめなのは「純米吟醸酒」
脂の乗ったジューシーなステーキは純米酒がよく合い、中でも深いコクやうまみを感じられる純米吟醸酒がおすすめです。脂の少ない赤身肉のステーキをシンプルに塩胡椒で食べるなら吟醸酒が合いそうですね。
【最高級 極上 松阪牛 ギフト ステーキ サーロイン 400g(200g×2枚)】
【特選 米沢牛ヒレステーキ&ランプステーキ食べ比べセット各100g(A5・A4等級)】
まとめ
今回は、日本酒と牛肉の組み合わせについて紹介しました。
日本酒と牛肉はそれぞれがグルタミン酸とイノシン酸といううまみ成分を持っているため、一緒に味わうことで最大7〜8倍もうまみを感じられるため、非常によく合う組み合わせなのです。
日本酒には大きく分けて4種類あり、それぞれ香りやコクなど特徴が異なります。牛肉と日本酒を合わせる場合には、あっさりとした味にはすっきりとした飲み口の日本酒を合わせ、味の濃いものにはコクのある濃醇な日本酒を合わせてみましょう。