国産のブランド牛と言われて「松阪牛」を真っ先に思い浮かべる人は多いのではないかと思います。
そんなブランド牛の代表とも言える松阪牛ですが、どのように育てられているのか、どのような特徴のある牛肉なのかご存知でしょうか。
松阪牛が美味しいと言われる理由は、育て方や管理方法、松阪牛の脂に秘密があるのです。
ここでは、松阪牛の特徴やおいしさの秘密、おすすめの食べ方をご紹介します。
松阪牛を食べたことのない人も食べたことがある人も、松阪牛のことを知ることで、さらに美味しく食べられるようになりますよ。
この記事は、和牛×ギフトの専門店「肉贈」の店長松本が監修しています。
肉検定1級・2級、家畜商の免許も取得済。和牛の肥育もしています。
「和牛×ギフト」を通して、贈り主&贈り先の双方を幸せにすることを目標に日々活動中。
松阪牛ってどんな牛肉?

松阪牛は何をもって「松阪牛」と区別されるのかご存知ですか?
実は、松阪牛には明確な定義があるのです。
まず、松阪牛はどんな牛なのか見ていきましょう。
「松阪牛」の読み方は?
いきなりですが、「松阪牛」の読み方は、
①まつさかうし
②まつさかぎゅう
③まつざかうし
④まつざかぎゅう
この中でどれが正解かわかりますか?
答えは「①」と「②」です。
松阪牛は
三重県松阪市(まつさかし)を中心とした地域で肥育した牛であるため、「松阪」は「まつさか」と読みます。
ちなみに表記は「松坂牛」ではなく「松阪牛」が正解。
松阪牛の読み方を「まつざかうし」と読んでいたり、漢字を「松坂牛」と間違えて覚えている人は意外に多いもの。
うっかり間違えないように、ここで覚えておいてくださいね!
松阪牛の定義とは
どのような牛肉が「松阪牛」と名乗れるかご存じでしょうか。
松坂牛には以下のような明確な定義があります。

黒毛和種とは、肉牛として飼育される全身が黒い牛のこと。
松阪牛はまだ出産をしていないメス牛のみと限定されていますが、一般的な牛肉は乳牛になれないオス牛です。
なぜ、松阪牛はメス牛のみなのかというと、メス牛はオス牛よりも脂肪の質が良く、不飽和脂肪酸が多く含まれていることで深い味わいになるからです。
また、経産牛よりも未経産牛の方が脂肪が多いため、未経産牛と限定しています。
牛の情報が見られる松阪牛証明書・松阪牛シール
松阪牛が販売される際には、必ず「松阪牛証明書」や「松阪牛シール」が付いています。
シールの場合は肉のパックに貼り付けられており、赤く目立つ文字で「松阪牛」と書いてあるため、一目で松阪牛と認識できるでしょう。
証明書やシールには、「個体識別番号」が記載されており、購入した松阪牛の情報をインターネットから見ることができるのです。
松阪牛個体識別管理システムによるデータ管理
なぜ松阪牛は個体識別管理システムを導入しているかというと、2001年の狂牛病発生や食肉偽装事件が起きたことによって、消費者が抱いた牛肉への不信感を払拭するためなのだそう。
このシステムのおかげで、牛の生年月日や農家の情報、餌の内容といった36項目のデータを見ることができるようになりました。
このデータは、個体識別管理システムを運営している「三重県松阪食肉公社」の職員が牛舎に出向き、システム登録する松阪牛を直接確認するため、信頼性が非常に高いのがポイントです。
松阪牛の味や食感の特徴

松阪牛はなぜ美味しいの?
松阪牛を美味しく感じる理由には、以下のようなものがあります。
〇柔らかな肉質
〇うまみを多く含んだ上質でヘルシーな脂肪
〇脂肪の口溶けが良くまろやかな口当たり
〇深みのある甘く上品な香り
これらが合わさることで一般的な牛肉では味わえない、高級感のある上品な味わいとなるのです。
松坂牛が溶けるような食感の理由
松坂牛は、口に入れると溶けるような口当たりが特徴ですが、なぜ「溶ける」と感じるのでしょうか。
それは、松坂牛の脂肪に秘密があるのです。
松阪牛の脂肪には「不飽和脂肪酸」が多く含まれており、その割合は他の黒毛和種よりも高いことがわかっています。
| 品種 | 部位 | 組織 | 飽和脂肪酸割合(%) | 不飽和脂肪酸割合(%) |
| 松阪牛 | かた脂身 | 皮下脂肪 | 30.6 | 69.4 |
| 黒毛和種 | かた脂身 | 皮下脂肪及び筋間脂肪 | 34.9 | 65.1 |
| 乳用種 | かた脂身 | 皮下脂肪及び筋間脂肪 | 42.49 | 57.51 |
| 輸入牛 | かた脂身 | 皮下脂肪及び筋間脂肪 | 50.64 | 49.36 |
参照:https://www.city.matsusaka.mie.jp/
不飽和脂肪酸は融点が低いため、多いほどに口に含んだ瞬間に油が溶け出し、まろやかな口当たりとなるのです。
牛の品種ごとに見てみると、松阪牛の脂肪融点が低いことがよくわかります。
| 品種 | 組織 | 融点(℃) |
| 松阪牛 | 皮下脂肪 | 17.4 |
| 和牛 | 皮下脂肪 | 25.9 |
| 交雑種 | 皮下脂肪 | 29.9 |
| 乳用種 | 皮下脂肪 | 30.2 |
参照:https://www.city.matsusaka.mie.jp/
松阪牛の脂肪融点は17.4℃なので、手のひらに乗せただけで脂肪が溶けはじめます。
脂肪融点は肥育期間などでも変わり、肥育期間が長いほど低くなるという研究結果もありますが、中には脂肪融点が13℃程度の松阪牛まであるのだとか。
松阪牛の一番美味しい食べ方は?
まずは“素材を活かす調理”が基本
松阪牛の魅力を最大限に味わうなら、まず意識したいのが「シンプルに仕上げること」です。脂肪融点が低く、口に入れた瞬間に溶け出す特性があるため、過度な味付けや長時間の加熱は必要ありません。
塩だけで焼き上げても十分に甘みと旨み、そして上品な香りを堪能できます。素材の力を引き出す調理こそが、松阪牛を美味しく食べる近道です。
厚切りならステーキが王道
松阪牛の脂の甘みと香りをしっかり楽しむなら、厚切りステーキがおすすめです。強火で表面を焼き固めて旨みを閉じ込め、あとは火を入れすぎないことが重要。
中心はミディアムレア程度に仕上げることで、とろける口どけを存分に味わえます。味付けは塩やわさび程度で十分。脂の上品な甘さが際立ちます。
松阪牛をさらに美味しくする焼き方のコツ
家庭でも少しの工夫で、仕上がりは大きく変わります。
●焼く前に常温に戻す
冷たいまま焼くと中心まで均一に火が入りにくくなります。調理前に常温に戻しておくことで、焼きムラを防ぎ、しっとりとした食感に仕上がります。特に厚みのある部位では欠かせない工程です。
●焼いた後は休ませる
焼き上がり直後に切ると、旨みを含んだ肉汁が流れ出てしまいます。2〜3分ほど休ませることで肉汁が落ち着き、よりジューシーに。松阪牛の甘い脂と赤身の旨みをバランスよく楽しむための大切なひと手間です。
薄切りならすき焼き・しゃぶしゃぶ
霜降りの美しさを活かすなら、薄切りでいただくのも一番美味しい食べ方のひとつです。しゃぶしゃぶは湯にくぐらせるのはほんの数秒。色が変わった瞬間が食べ頃です。
すき焼きの場合も煮込みすぎず、さっと火を通すことで脂の質の良さが引き立ちます。加熱しすぎないことが最大のポイントです。
【シーン別】松阪牛をより美味しく食べる方法

松阪牛はどこを食べても美味しく食べられる牛肉ですが、部位によって脂の入り方や柔らかさ、うまみが違います。
好みに合わせてより美味しく松阪牛を楽しむ方法をご紹介します。
肉らしさをしっかり味わいたいなら
肉らしさをしっかりと味わいたいのであれば、おすすめは
〇ロース
〇サーロイン
この部位です。
美しくサシの入った特上の霜降り肉を堪能できるのがこの2つの部位でしょう。
ロースなら濃厚な味わいに油の旨みが合わさるすき焼きや、焼き肉でしっかりと肉本来の味を楽しむのもおすすめ。
サーロインなら、やはり食べ方のおすすめは定番のステーキ。
好みの焼き加減で仕上げて、がっつりと松阪牛のうまみを感じてみてください。
さっぱり目に食べたい時は、ポン酢や大根おろしなどを合わせるのもおすすめです。
ダイエット中・胃もたれしやすい人には
ダイエット中で脂質を気にしている人や、胃もたれを起こしやすい人には、
〇ヒレ
〇もも肉
〇ランプ
〇イチボ
この部位がおすすめです。
ヒレやもも肉は脂肪が少ないため、罪悪感なく食べることができ、胃もたれも起こしにくい部位と言えます。
ヒレならおすすめはステーキ。
脂の口溶けと甘さを楽しむサーロインと違い、ヒレならステーキでもパクパク食べることができ、非常に柔らかいので子供でも喉に詰まらせる心配がありません。
もも肉なら、薄切りをしゃぶしゃぶにして食べたり、塊り肉をローストビーフにしたり、ビーフシチューなどの煮込み料理もおすすめです。
ランプとイチボはお尻のあたりにある部位です。
両方を合わせて「らんいち」とも呼ばれています。
赤身でうまみがしっかりと詰まっているため、こちらもヒレと同様にステーキが1番おいしく食べられるでしょう。
子供や高齢者にはコレ
まだ肉の塊を食べさせるのが不安な子供や、歯が弱い高齢者なら、食べきれなかった松阪牛を包丁でミンチにして、松阪牛100%の贅沢なハンバーグを作ってみてはいかがでしょうか。
これなら噛みきれないということもなく、誰でも食べることができます。
記念日や特別な日ならステーキ
誕生日や結婚記念日など、特別な日に松阪牛を味わうなら厚切りステーキがおすすめです。見た目の存在感があり、一皿で食卓が華やぎます。
表面を香ばしく焼き上げ、中はミディアムレアに仕上げることで、とろける脂の甘みと赤身の旨みを同時に楽しめます。シンプルな塩やわさびでいただくことで、松阪牛本来の上品な味わいを堪能できますよ。
家族団らんならすき焼き
家族でゆっくり囲む食卓にはすき焼きが最適です。薄切り肉をさっと火に通すことで、松阪牛特有のやわらかさと脂の甘みが引き立ちます。
甘辛い割り下との相性も良くごはんが進む味わいです。幅広い世代が楽しめる食べ方として人気があります。
松阪牛のギフトおすすめ3選
プレゼントはもちろん、自分へのご褒美などにもおすすめのギフトをご紹介します。
松阪牛 サーロイン&ヒレステーキ 食べ比べセット
霜降りのサーロインと希少部位であるヒレの贅沢なステーキ食べ比べセットです。
サーロインの溶ける脂を楽しんだり、柔らかくジューシーなヒレを両方堪能できます。
最高級 極上 松阪牛 ギフト すき焼き ロース 400g
とろける松阪牛を堪能できるすき焼き用のギフトです。
老若男女誰からも喜ばれること間違いなし!
松阪牛カタログギフトMAコース
1万円で気軽に贈れる松阪牛のカタログギフトです。
好みに合うものを選んでもらえるので、どんなものが好きかわからないという場合におすすめです。
まとめ
今回は、松阪牛の特徴やおいしさの秘密、おすすめの食べ方をご紹介しました。
松阪牛は「まつさかうし」もしくは「まつさかぎゅう」と読み、三重県松阪市を中心とした地域で育てられている黒毛和種のブランド牛。
未経産のメス牛、決められた地域での肥育期間が500日以上などのこまかな定義があり、その定義によって特上の牛肉となるのです。
松阪牛が販売される際には「松阪牛証明書」や「松阪牛シール」が添付されており、これらに記載されている個体管理番号はインターネットの個体識別番号検索に入力することで、購入した松阪牛の情報を見ることができます。
このシステムは、消費者が食肉偽装などの心配をせず、安心して松阪牛を食べることができるようにという配慮のために作られたのだそう。
松阪牛が美味しいと感じる理由は、脂質に不飽和脂肪酸が多く含まれているため脂質融点が低く、脂が口の温度ですぐに溶けてまろやかさを感じるからです。
他の品種と比べても松阪牛の資質融点は低いため、「溶ける」食感になります。
がっつりと松阪牛を食べたいなら、ロースやサーロインがおすすめで、すき焼きや焼き肉、ステーキで肉らしさを楽しみましょう。
ダイエット中や胃もたれを起こしやすいなら、ヒレやもも肉で脂の少ないステーキやしゃぶしゃぶ、煮込み料理などにして楽しんでみてください。
子供や高齢者など噛み切る力に不安のある人がいる場合は、松阪牛をミンチにしてハンバーグにするのがおすすめですよ。
自分に合った食べ方で、松阪牛の美味しさを堪能してみてくださいね。





