近江牛には400年もの歴史があることをご存知でしょうか。
松阪牛や神戸牛にも100年を超える歴史がありますが、近江牛の歴史の長さは群を抜いています。
今回は、世界最古の歴史を持つ「近江牛」はどのような特徴を持つブランド牛なのかについて説明していきます。
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この記事は、和牛×ギフトの専門店「肉贈」の店長松本が監修しています。
肉検定1級・2級、家畜商の免許も取得済。和牛の肥育もしています。
「和牛×ギフト」を通して、贈り主&贈り先の双方を幸せにすることを目標に日々活動中。
近江牛の歴史と定義
冒頭でも説明した通り、近江牛は400年の歴史を持つブランド牛です。
その歴史はいつから始まったのか、どのようにして広まったのかなど近江牛の歴史と近江牛の定義について見てみましょう。
近江牛の産地とルーツ
滋賀県には日本で最大最古の湖・琵琶湖があり、琵琶湖は400以上の川の終着点です。
その豊かな水源と肥沃な近江の土地は古くから農業が盛んでした。
肥沃な土地は農作物だけでなくいい牧草が豊かに育ち、夏は暑過ぎず冬は寒すぎず恵まれた気候、澄んだ水があるという環境下で近江牛はストレスなく育てられています。
近江牛は元々、農耕に使われていた但馬産の黒毛和種がルーツで、松阪牛や神戸牛もルーツは同じなのです。
近江牛の歴史
日本の三大和牛として名前の上がる松阪牛・神戸牛・近江牛は、松阪牛の歴史は約100年、神戸牛の歴史は約130年、対して近江牛は400年以上もの圧倒的に長い歴史があると言われています。
史実によると、滋賀県産の牛肉は1687年に近江国の北部を領有していた彦根藩で「反本丸(へんぽんがん)」という味噌漬けにされた養生薬として商品化されて日本各地に広まりました。
「反本丸」は彦根藩の藩主・井伊家から江戸の将軍・諸侯に献上されていたのです。
このことから、近江牛は最古の歴史を持つブランド牛と言われています。
反本丸(へんぽんがん)はなぜ生まれたのか 反本丸は1687年、彦根藩士の花木伝右衛門が明の医師・李時珍が書いた中国本草学の「本草網目」を参考に考案したとされています。 本草網目の中には、「黄牛の肉は佳良にして甘味無毒、中を安んじ気を益し、脾胃を養い腰脚を補益す」と記されており、反本丸は補養薬として作られたものであると考えられています。 江戸時代は肉食がタブー視されていた時代で、とりわけ牛肉を食べることへの抵抗感が強かったそうです。 そのため、薬とすることで偏見の目を避けた、公然と食べられないので薬としたというような見方もされることもあります。 |
明治になり、物流網が発展し始めたため、近江牛は「神戸牛」として東京へ輸出されるようになりました。
「近江牛なのに、なぜ神戸牛?」と思った人もいるでしょう。
その頃、近江牛は東京へ出荷される際に神戸港を経由していました。
当時では、山地の名がブランド名ではなく、出荷港がブランド名となっていたため、近江牛も神戸牛という名前になっていたのです。
1889年に東海道本線の開通によって近江八幡駅ができ、1890年からようやく陸路で東京への直輸送が始まり、その頃から近江牛の名が使われるようになりました。
本格的に近江牛をブランド化する動きが始まったのは、近江肉牛協会が誕生した1951年からと言えます。
協会は、肉牛のブランド化を目指しましたが、当時はまだ現在ほど牛肉の消費量は多くなく牛といえば農耕用の役牛という時代だったため、肉牛の肥育体制も十分ではありませんでした。
2005年に近江牛の定義が正式にルール化され、2007年に商標登録されたことで、ようやく本格的なブランディング活動が始まったのです。
近江牛の定義
近江牛は、【滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和種】という定義がありますが、近江牛の認定書が発行される認証「近江牛」にはさらに以下の定義があります。
①枝肉格付がA4・B4等級以上 ②「近江牛」生産・流通推進協議会の構成団体会員が生産したもの ③滋賀食肉センター、もしくは芝浦と畜場でと畜・枝肉格付されたもの |
このように、近江牛の中でも高い品質のもののみが認証「近江牛」とされているのです。
①にあるA4・B4等級以上というのは、以下の図で色が付いている等級で、歩留まり等級とは生体からとれる枝肉の割合をいい、Aがもっとも高い等級です。
肉質等級は脂肪交雑・肉の色沢・肉の締まりときめ・脂肪の色沢と質の総合的な判定です。
近江牛の味の特徴
澄んだ水と栄養バランスを考えられた飼料で肥育される近江牛の肉質は、美しい霜降りときめの細かさが特徴です。
また、全体にこまかなサシが入っており、適度に粘度のある脂肪は香りを楽しめます。
近江牛のギフトは産地直送の肉贈におまかせ!
肉贈は専門スタッフが産地まで足を運んで卸業者様や生産者様と直接顔を合わせ、牛舎と牛を確認して競りにも参加し、さらに実際に食べたブランド和牛を厳選。
ご注文頂いた近江牛は、滋賀県近江八幡市より産地直送でお届けいたします。
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近江牛のきめ細やかなサシの甘みと肉の旨味を楽しめるので、ギフトとして非常に喜ばれます。
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まとめ
近江牛は日本最大最古の湖・琵琶湖を有する岐阜県のブランド牛で、豊かな自然と澄んだ水、恵まれた気候という牛がストレスを感じないのびのびとした環境で育てられます。
400年以上もの長い歴史を持ち、他のブランド牛と比べてもその歴史の長さはダントツ。
しかし、商標登録自体は2007年で、このころから本格的なブランディングが始まったため、これからさらに有名になっていくのではないでしょうか。
近江牛はきめ細やかで柔らかい肉質と、やや粘度のある香り高い脂が特徴です。
ぜひ焼肉やすき焼き、しゃぶしゃぶなどで世界最古のブランド牛である近江牛を味わってみてください。